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映画「エクレール お菓子放浪記」

2012人権シネマフォーラム 映画「エクレール お菓子放浪記」上映会&講演会―未来に残したい、子どもに伝えたい、お菓子が紡ぐ希望の物語―を観ました。

この物語は、孤児のアキオ少年が太平洋戦争のなか、生死をさまよう苦労を乗り越え、生きていく話です。

映画は面白いので心配なく。いしだあゆみの怪演、主演の少年(吉井一肇)の歌唱力に感動します。

アキオは何日も食事も出来ず、盗みを働き、感化院に入れられます。天皇絶対の暗黒政治のもと、感化院は暴力が支配しています。

創立記念日のお菓子を軍部に横流し、兵役を逃れる教官たち。「俺たちのお菓子を横取りするな」と批判するアキオたちは半殺しのリンチを受けます。

陽子先生の援助でアキオは養子になって、感化院を出ることが出来ました。楽しく一生懸命働き、養母ともうまくやっていきます。ところが、怪我して働けなくなると養母から疎まれ、家を出ます。

アキオは、旅一座に拾われ一息つきます。芝居は検閲され、「金色夜叉」も上映禁止と言われますが、なんとか公演を続けます。

ところが、女形の役者に赤紙が来ます。「人を殺すことも、殺されることも嫌」と自殺します。さらに、二枚目の役者は「脱走兵・・・お尋ね者」で、自殺の調査にきた警察に見つかると重罪になるので、一座から逃げていきました。

2名の看板俳優をなくした旅一座は解散し、アキオはまた一人ぼっちになります。

アキオは仕方なく、大空襲にあった東京に戻ります。頼りになる人はみんな死んでいました。養母には再会できたものの、喧嘩別れします。陽子先生も原爆で死んだと思い込み、アキオは生きる望みを失います。

そのとき、「お菓子のように、みんなを喜ばす人間になる」という陽子先生と約束を思い出し、生きる意欲を取り戻します。

撮影は、東北大震災前の宮城県石巻市。東北の清らかな風景が数多く映し出されます。

一方、震災の被害も多く受けました。エキストラで出演した地元の方が多く亡くなったそうです。映画の中でアキオがアルバイトしていた映画館は、トイレを残して津波に流されたそうです。

この映画の原作「お菓子放浪記(西村滋 著)」は西村さんの実体験によるものです。戦争の悲惨さを教えてくれます。また、生きることの楽しさも教えてくれます。

「続・お菓子放浪記」は、しんぶん赤旗日曜版に連載されました。毎回、楽しみに読みました。

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