こんにちは。日本共産党 大森和夫です。
[2011.6.1] -[議員日誌]
朝10時から第2陣のアスベスト国賠訴訟(大阪地裁)の本人尋問がありました。尋問は、原告1人、遺族原告3人、原告を自宅で介護している娘さんの5人でした。
癌の中でも最も苦しい肺がんの恐ろしさ、呼吸が出来ない苦しさ、治療薬がなく死を待つだけの闘病生活、家族まで及ぶ被害など、尋問を聞くたびに、心苦しくなります。
そんな中、気丈に涙をこらえ尋問に答える原告の姿は、感動的です。しかし、弁護士との尋問の打ち合わせの時は、みんな泣いてばかりいるそうです。
尋問で、次のやりとりが記憶に残りました。
弁護士)アスベストの病気になってから、好きな旅行もいけませんね?
原告)当たり前。家の中を歩くのも、しんどいのに。
=尋問の中では、珍しく軽妙なやり取りになりました。
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弁護士)痛みのために暴れる父親(亡くなった原告)を、医者はベットに縛り付けた。その姿をみて、息子のあなたは、どう思いましたか。
遺族原告)かわいそうと言うより、怖かった。
遺族原告)「静かに息を引き取るように、穏やかに苦しむ事のないように死なせてください」と医者に言った。
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弁護士)お母さん(亡くなった原告)は、アスベストの危険性を知っていたら、石綿工場で働いたでしょうか。
遺族原告)アスベストの危険性を知って石綿工場で働くことは自殺行為です。アスベストの危険性を知っていたら、働く事はありません。
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原告の娘)母(原告)からヒューヒューと言う音がした。母に憑き物がいると思い、御祓いに行ったが、その音は、母の肺からする音だった。今は、猫の鳴き声のような音がする。母は4つの病院に月10回から15回通う。すべて私が付き添う。
原告の娘)母(原告)の介護のストレスが原因で甲状腺がん、胃潰瘍、肋間神経痛になる。アスベスト被害は本人だけでなく、家族も苦しめる。
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遺族原告)父(原告)が死んだ時、「父を献体したい」と言うと医者は驚いていた。家族全員で一生懸命に看病していたので、献体はしないと思っていたようだ。医者に「塗るだけでアスベストの病気が治る薬を作ってください。」とお願いした。
遺族原告)利便性や経済性を優先して、アスベストの危険性を知らせず、使ってきたことを国は謝罪して欲しい。アスベストを吸うことは、体に爆弾を抱えるようなものだ。