こんにちは。日本共産党 大森和夫です。
[2010.12.26] -[活動トピックス]
アスベスト国賠訴訟の原告の前川さんのお葬式でした。
10月に肺がんの宣告を受けました。石綿肺のため手術できず、抗がん剤治療を続けていたところ、肺炎を併発し急逝されました。前川さんは、泉南市の石綿会社で40年近く働きました。定年後は、墨絵や書道をたしなみ、腕はプロ級、地元で教えていました。
裁判が始まって4年になりますが、原告の5人が亡くなりました。
11月の第1回控訴審の意見陳述で前川さんのことが以下の通り述べられています。
石綿肺を患っていた前川さんは,一審判決後についに肺がんの宣告を受けました。近畿中央病院に入院して,法廷に来ることができません。前川さんは定年前に管理区分2と診断され,仕事をやめれば悪化しないと思っていました。
しかし,20年経って気管支炎を合併して労災認定を受け,その翌年には管理区分が3にあがりました。そして,今では肺がんです。石綿肺に合併しているため,手術ができません。放射線治療もできません。一番体に負担の少ない抗がん剤治療しか受けられません。
今,命の最後に直面しています。そのような前川さんが今一番悩んでいるのは,入院先の病院での,夜中の咳き込みです。まわりの入院患者に気兼ねをしてしまうのです。自分の死が迫っているというのに,自由に咳すらできないんです。
前川さんは,裁判所への手紙の中で,こう述べています。「日毎に身体が弱っていくようでこの先いくばくもないと思います。せめて,アスベストの問題の解決を見てあの世へ旅ちたいと思います。」これが今の前川さんの思いです。