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  • こんにちは。日本共産党 大森和夫です。

    泉南アスベスト国家賠償請求

    [2010.5.19] -[インフォメーション]

    石綿被害 

    国の責任認める

      本日、大阪地方裁判所第22民事部は、全国に先駆けてアスベスト被害に対する国の不作為責任(規制権限不行使)を正面から追及した大阪・泉南アスベスト国家賠償請求訴訟(第一陣。被害者26名。)において、国の責任を認め、国に対して総額4億3505万円の支払いを命じる原告勝訴の判決を言い渡した。

     

      大阪泉南アスベスト国家賠償請求訴訟原告団・弁護団・泉南地域の石綿被害と市民の会・大阪泉南地域のアスベスト国賠訴訟を勝たせる会は、以下の声明を発表した。 

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    2010(平成22)年5月19日    

    大阪泉南アスベスト国家賠償請求訴訟原告団・弁護団  

    泉南地域の石綿被害と市民の会            

    大阪泉南地域のアスベスト国賠訴訟を勝たせる会

        

     

    1 本日、大阪地方裁判所第22民事部は、全国に先駆けてアスベスト被害に対する国の不作為責任(規制権限不行使)を正面から追及した大阪・泉南アスベスト国家賠償請求訴訟(第一陣。被害者26名。)において、国の責任を認め、国に対して総額4億3505万円の支払いを命じる原告勝訴の判決を言い渡した。

     

    2 本判決は、まず、国の不作為について、国がアスベストの危険性を昭和34年から知っていながら、昭和35年において「局所排気装置の設置を義務付けなかったこと」及び昭和47年に「石綿粉じん濃度の測定結果の報告及び改善措置を義務付けなかったこと」は違法であると認定して、国の不作為責任を認めた。また、判決は、国の責任は、使用者らと共同不法行為の関係にあるとして、一次責任があると判示した。さらに、判決は、「石綿による健康被害が慢性疾患でかつ不可逆的で重篤化する」という被害の重大性を認め、アスベスト被害を償うに相当な損害賠償を命じた。その一方で、判決は、近隣ばく露による被害について、不当にもその因果関係を否定した。

     

    3 本判決は、何よりも、アスベスト被害について、国の責任を初めて認めた画期的判決である。

      泉南アスベスト被害は、70年以上前もから深刻な被害発生が確認されていたわが国のアスベスト被害の原点であり、本判決は、かかるアスベスト被害について国の責任を断罪した。このことは、泉南アスベスト被害の早期救済はもとより、すべてのアスベスト被害について、国の責任の明確化と被害者救済のあり方の抜本的な見直しを迫り、これ以上のアスベスト被害を発生させない万全な規制や対策の強化を求めるものである。

      本判決は、同じくアスベスト被害について国の責任を追及している首都圏建設アスベスト訴訟等にも大きな励ましとなるものである。

      さらに、本判決は、アスベスト被害が広範囲に広がっているアジア諸国にも、アスベスト使用の危険性について重大な警告を発するものであり、重要な国際的意義も有している。

      しかしながら、近隣ばく露による深刻な健康被害を認めなかったことは、見過ごすことのできない不十分な点であると言わざるを得ない。

     

    4 泉南アスベスト被害の救済は急務である。「生きているうちに救済を!」は原告ら被害者すべての共通の願いであり、「被害の原点を救済の出発点に!」は広範な世論である。

      私たちは、国が、本判決を真摯に受け止め、自らの責任を認めて原告ら被害者に謝罪し、控訴を断念して正当な賠償金を支払うこと、そして、泉南アスベスト被害者全員の救済システムづくりなどを内容とする泉南アスベスト被害の早期解決に応じることを強く要求するものである。

     

    以上