こんにちは。日本共産党 大森和夫です。
[2011.8.25] -[議員日誌]
大阪高等裁判所の判決は、「アスベスト被害で国の責任を一切認めない」という、事実誤認と悪意に満ちた判決を下した。
昨年5月の大阪地裁判決は、国の責任を認める判決を出したが、その後、国は上告し、さらに和解勧告を拒否し、今日の不当判決となった。
裁判を起こして5年、その間に原告29人のうちに、肺がん等で5人がなくなった。今朝、原告がミイラのようにやせ、満足に呼吸や食事ができないまま、苦しみ抜いて亡くなった。
国民の生命、健康よりも経済発展を優先させた国の責任を不問に
不当判決は「国民の生命、健康を守るため、国が規制を設ければ、産業は発展しない。経済発展のため、生命や健康が侵害されても、仕方がない」と国を擁護する。
人間を尊重する時流に反すること内容だ。そのうえ、経済発展のために、命や健康を奪われた人に、感謝や敬意も表さぬ、人間の尊厳を無視したものだ。
福島原発事故でも、国も企業も責任はない、被害者だけが泣き寝入りして、ガマンしろと言っているようなものだ。
被害者、原告、支援者は負けない 今まで以上に団結して 早期解決を目指す
原告や弁護団も予期せぬ不当判決に、大きなショックを受けた。「こんなに泣いたのは、生まれて初めて」と肩を落とす原告もいた。連日、不眠不休で頑張ってきた弁護団にも疲れの色が見えた。
しかし、裁判後の集会は、大阪弁護士会の大会議室を満員にして、全国から励ましの声が寄せられた。アスベスト被害者・弁護士・学者・医者などから、不当判決を乗り越えて頑張ろうと訴えがあった。
集会後には、原告や弁護団が「ご苦労さん。引き続きがんばろう」と笑顔で声を掛け合った。
今回の不当判決を糧に、さらに原告らと団結を強め、全国の運動を共同して、被害者の早期救済に向けて取り組みたい。
判決前集会
原告団の入廷を見送る・ソーラン節
不当判決を報告する奥村弁護士
判決後集会