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建設石綿訴訟、国の責任を一部認める…東京地裁

首都圏建設アスベスト訴訟で、東京地裁は国の責任を一部認める原告勝訴の判決を言い渡しました。308名(患者ベース)中177名に対し、10億6千万円の支払いを命じました。一方、企業の責任は認めませんでした。

苦しむ被害者を励ます、うれしい心躍る判決です。詳しくは次の声明をご覧ください。この判決が、泉南の後押しとなり、建設関係の被害者掘り起こしにつながっていくように、引き続き、頑張っていきます。

 

 声    明

                            2012(平成24)年12月5日

                        大阪アスベスト弁護団

 

本日、東京地方裁判所民事第41部(始関正光裁判長)は、首都圏建設アスベスト(東京)訴訟(原告患者数308名)において、本年5月25日の横浜地裁の不当判決を乗り越え、国の責任を認め、原告のうち170名(患者単位158名)に対し総額10億6394万円の支払いを命じる原告勝訴の判決を言い渡した。

大阪では、平成18年5月に泉南アスベスト国賠第1陣訴訟を提起し、その後平成21年9月に同第2陣訴訟、平成23年7月に関西建設アスベスト大阪訴訟を提起し、アスベストによる悲惨な健康被害について国及び石綿建材メーカーの責任を追及し続けてきた。

  本日の東京地裁判決は、平成22年5月19日の泉南国賠第1陣訴訟地裁判決、平成24年3月28日の同第2陣訴訟地裁判決に続き、アスベスト被害につき国の責任を認めた3件目の判決である。泉南における被害が我が国におけるアスベスト被害の原点であるのに対し、建設作業従事者におけるアスベスト被害は、その数においても広がりにおいても我が国最大のアスベスト被害である。本件は、その被害について初めて国の規制権限不行使の違法性を断罪したものであり、画期的である。

  本判決では、被告企業らの共同不法行為責任は否定したが、被告企業らが石綿建材の危険性の警告表示を怠ったことなどによる被告企業らの加害行為を厳しく断罪し、本来であれば、全国に存在する建設アスベスト被害者らに対して賠償責任を負うべき立場にあることも指摘した。被告企業らは国とともに、本判決を真摯に受け止め、建設アスベスト被害者に対する賠償責任を自覚すべきである。

当弁護団は、本判決の成果を引き継ぎ、関西建設アスベスト大阪訴訟においても、国・被告企業らの責任を厳しく追及していく所存である。

  本判決は、大阪・泉南国賠訴訟2陣地裁判決では認められなかった昭和46年以降の国の規制権限不行使の違法性を認めた点において、同訴訟の全面勝利にも大きな意義を有している。

当弁護団は、今後とも、全てのアスベスト被害の早期全面救済とアスベスト被害の根絶を求めて、全力をもって闘っていくことを表明する。

                                   以上

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